生きるために不必要で大切なもの[Rental Heart Cafe self-cover] -25ページ目

040912

大切なものの前で
理性が粉々になり

大切なもののために
嘘を組み立てる

嘘なんてきっと
プラモデルみたいなもの


あなたを手に入れるために
どんな嘘もついてみせる

あなたを幸せにするために
嘘をつくなど造作ない

嘘はどこからが嘘で
嘘はどこまでが嘘なのか


ひとりよがりな
嘘をつかない

あなたが滅入る
嘘をつかない

昔ばなしのしまいのように
汚い嘘は壊れてしまう


あなたのために生きる証しに
命を絶たれてもいいという

矛盾の渦に巻かれ
曖昧な基線を探している

嘘つきな僕の約束を
どうか信じてほしいのです



No.0014
040912

胸がちぎれてる

040911

深い夜にうずくまり
孤独にふるえてる
遠い未来の不安に
爪を噛みながら

君は裸で
鏡の中に心映し
それなのに
恐れる瞳そらして嘘をつくの

狂いそうな愛しさに
君の胸がちぎれてる
悲しみは美しく
やがて君の過去をしるす


強くなりたいと願う
壊れてしまう前に
だけど光におびえて
闇に沈んでく

泣きながらつまづき
声にならない愛を叫ぶ
傷ついた魂に
君の思いが届かないの

ボロボロの服でいい
君よ風に立ち向かえ
嵐の夜を越えて
やがて夢は醒めてくれる


君は裸で
鏡の中に心映し
それなのに
恐れる瞳そらして嘘をつくの 

狂いそうな愛しさに
君の胸がちぎれてる
悲しみは美しく
やがて君を導くの

ラララ‥‥‥
ラララ‥‥‥



No.0013
040911

mp3
この曲を聴きに行く

040910

彼が家にやってきた。
彼は18段変速だ。
彼のツノはドロップハンドル。
彼はピカピカレッドだった。

彼と僕はすぐに仲良くなった。
学校から帰ると、ずっと一緒にいた。
彼は僕を知らない場所へ連れて行ってくれた。
彼との時間はあっという間だった。

一週間が経った頃、彼は転んだ。
無理に砂利道を走らせた僕のせいだ。
彼のボディにはかなり深い傷。
彼はしばらく立ち上がれなかった。

翌日、彼の傷をお医者さんに見せた。
完全に治すには莫大な費用がかかる。
去年のお年玉全部でも足りない手術代。
僕は絶望に支配された。

お医者さんは言った。
「走るのに支障はないよ。
個性だと思えばいいじゃない。」
僕には意味がわからなかった。

僕は彼を、やがて邪険に扱いはじめた。
彼との走りにときめくこともなくなった。
彼とは目を合わせなくなった。
やがて僕は“彼”を捨てた。

あれから長い時間が経った。
僕は間違いを繰り返している。
間違いに気づいているのだけれど。
やっぱり僕は間違いを繰り返す。

‥‥愛の意味がわからないんだ。



No.0012
040910

不可視

040909

誰か呼んだ?

熱にうなされた痕のような目覚めだった。
起きてしばらくはボーっとして、
でも誰かに揺り起こされた感覚が離れないでいた。
‥‥最近、毎朝のこと。


今日、休もっかな‥‥。

ベッドにしがみついている気は全然なかった。
どこか大きな景色を見たいと思った。
メンテしなきゃ。もう随分さわってない。
‥‥心のこと。


全部、やめよっかな。

そんな簡単に思いつくつもりじゃなかった。
でも案外、その考えは鍵穴にピッタリだった。
見えないものにつながれているんだ。
‥‥母に言われたこと。


窓を開けた。

いい天気。
どこか出かけよう。
可能性さがし?ちがうちがうちがう。
‥‥もっと簡単なこと。


服を着たよ。白とジーンズ。

遠くにあるって、勝手に想像してる。
本当は自分の中にあるものなのにね。
頑張らなくていい。自然でいい。ままでいい。
‥‥むずかしいこと。


どこか大きな景色を見たいと思った。



No.0011
040909

自我

040908

雨の音がする
風の意志を感じる

気がつくとまた自分に
いいわけをしていた


眠れない
眠ろうとするけど

眠れない
疲れているのに


朝と夜がわからない部屋に
不安を脱ぎ散らかして

流れない時間を数えながら
また一日が訪れる


母親の胎内にいて
なにもかも現実ではなかったのに

剥がれ堕ちた僕たちは
迷い続けている


生まれたときの心が
奪われ傷つけられ壊された

生まれたときの心なんて
孤独の中で生まれた妄想でしかない


心を被う憂鬱が
どこかへ姿を隠したとしても

逃れることはできない
きっとループの一部でしかない


きしむ窓を開けると
湿気た風が残っていた

暗く低く速い空を見上げ
誰かに‥‥愛されたいと思う



No.0010
040908

おかしなこと

040907

おかしなことを考える


オムライスに割り箸

休日っていう制度

愛を告白する儀式

セックスアピール

夢の中で解決する疑問

きれいな芝生

コンピューターウィルス

下着と水着

腕を組む仕草

バラバラにしてみた言葉

ミュージカル

ネコの顔の毛

考えることを考えてる自分


でも明日になると

おかしく感じなかったりして

おかしいな


さて‥‥散歩してこよっと



No.0009
040907

なぜ?

040906

「なぜ?」って、おもむろにあなたが聞いた。
僕は答えられなかった。
あなたは答えられない僕を分析しはじめた。
なぜ?‥‥なぜなんだろう。

「なぜ?」って、そしてまたあなたが聞いた。
僕は答えられなかった。
あなたは僕を追いつめるように問いただした。
なぜ?‥‥なぜなんだろう。

本当にわからなかった。
だいたい理由なんかあったのかな。

人間の行動には必ず理由があるっていうのを、
何かの本で読んだような、読まなかったような‥‥。
そんなことを考えた。


結構な時間がたった。

僕は罠にはまった獲物だった。
もうずいぶん前に立ち向かう気力をなくしていた。
でも、考えることはやめなかった。
爪は隠したけど、誇りは捨てなかった。


また時間がたった。
どうやら、あなたの興味の対象は僕でなくなっていった。

未だ、僕は答えられなかった。
なぜ?‥‥なぜなんだろう。

あなたが笑っている。

少し、窮屈じゃなくなった。
僕は明らかに圧力から解放されつつあった。
突然、確信が生まれた。狭い隙間に生まれたへんな確信。
あなたの饒舌さにくらべれば、とても幼稚な確信。

理由があった。いっぱいあった。
おいしいから。珍しいから。お腹がすいたから。生きるため。

理由があった。いっぱいあった。
ご飯を食べる理由がいくつもあるように。

僕は探していたんではなくて、選ぼうとしていた。
自分の形にこだわっていた。
あなたに認められるくらいの“理由”、
自分を美しく見せるために必要な“理由”を。

でも選びきれなかったんだ。
あなたが手強かったから。
だから答えられなかったんだ。

あなたが僕を追いつめたんではなく、
僕があなたから逃げた。
だから答えられなかったんだ。

「なぜ?」って、もうあなたは聞かなかった。
答えが出たのに。答えが出たのに。
ただ、その答えは答えられなかった理由でしかなかったけど、
それでもう許される気がしていた。


帰り道にもう一度、自分に聞いてみた。
今度は声に出してみた。
ひとり、ふらふらと歩きながら。

「なぜ?」
声が団地の壁にはじかれる。
「なぜ?」
僕はそれっきりしゃべれなかった。

やっぱり、理由は見つからない。
少し泣きそうだった。



No.0008
040906

‥‥無題

040905-2

時間が流れない
でも鼓動は止まらない



No.0007
040905

頭の中(改行と句読点のない思考)

040905-1


げんきっていったいなんだろうかまためんどうなことをかんがえはじめてしまったげんきはかんじょうのいちぶなのだろうかいやげんきはかんじょうではないようにぼくにはおもえるかんじょうをほっけーのぱっくひびのせいかつをほっけーのげーむそのものにたとえるとするぱっくのうごきにあわせてげーむがうごきあたりまえにぱっくのゆくえでしあいがけっするぱっくをかんぺきにこんとろーるすることはかのうなのだろうかそれもくんれんかおもいどおりにはしはいできないのだけれどでもかんじょうをこんとろーるすることはあるていどかのうだとおもうせいぎょふのうになるとすればそれはあたまがいかれてしまったということだほっけーにたとえることはなかったなところでげんきはだすとかでるとかないとかあるとかというひょうげんをするけれどだすってことはどっかにしまってあるのだろうかちがうなだってどうしたってみつからないことがあるものねすくなくともたんすのようにつうじょうわかりやすいばしょにはしまってないとおもわれるかんじょうのきばくざいはそうかんたんにてにはいらないことになっているたんすにたとえることもなかったかねがてぃぶになることはすごくかんたんなのにぽじてぃぶにもっていくのはすごくむずかしいかんじょうはよそおいがきくからふりができるけどつまりげんきがあるふりはみぬかれてしまうから



No.0006
040905

きっと

040904

自分は誰なのか
自分は嘘つきなのか
自分は鈍感なのか

自分は臆病なのか
自分は間違いなのか
自分は馬鹿なのか

きっとずっとわからない
立ち止まれないから
立ち止まる勇気がないから

自分は無価値なのか
自分は無意味なのか
自分は輝きなのか

自分は下卑なのか
自分は数字なのか
自分は存在なのか

きっとずっと見つからない
見つめられないから
見つめる勇気がないから

自分は自分なのか‥‥
生まれてからもうずいぶん
答えが出ないでいる



No.0005
040904