胸がちぎれてる
深い夜にうずくまり
孤独にふるえてる
遠い未来の不安に
爪を噛みながら
君は裸で
鏡の中に心映し
それなのに
恐れる瞳そらして嘘をつくの
狂いそうな愛しさに
君の胸がちぎれてる
悲しみは美しく
やがて君の過去をしるす
強くなりたいと願う
壊れてしまう前に
だけど光におびえて
闇に沈んでく
泣きながらつまづき
声にならない愛を叫ぶ
傷ついた魂に
君の思いが届かないの
ボロボロの服でいい
君よ風に立ち向かえ
嵐の夜を越えて
やがて夢は醒めてくれる
君は裸で
鏡の中に心映し
それなのに
恐れる瞳そらして嘘をつくの
狂いそうな愛しさに
君の胸がちぎれてる
悲しみは美しく
やがて君を導くの
ラララ‥‥‥
ラララ‥‥‥
No.0013
040911
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傷
彼が家にやってきた。
彼は18段変速だ。
彼のツノはドロップハンドル。
彼はピカピカレッドだった。
彼と僕はすぐに仲良くなった。
学校から帰ると、ずっと一緒にいた。
彼は僕を知らない場所へ連れて行ってくれた。
彼との時間はあっという間だった。
一週間が経った頃、彼は転んだ。
無理に砂利道を走らせた僕のせいだ。
彼のボディにはかなり深い傷。
彼はしばらく立ち上がれなかった。
翌日、彼の傷をお医者さんに見せた。
完全に治すには莫大な費用がかかる。
去年のお年玉全部でも足りない手術代。
僕は絶望に支配された。
お医者さんは言った。
「走るのに支障はないよ。
個性だと思えばいいじゃない。」
僕には意味がわからなかった。
僕は彼を、やがて邪険に扱いはじめた。
彼との走りにときめくこともなくなった。
彼とは目を合わせなくなった。
やがて僕は“彼”を捨てた。
あれから長い時間が経った。
僕は間違いを繰り返している。
間違いに気づいているのだけれど。
やっぱり僕は間違いを繰り返す。
‥‥愛の意味がわからないんだ。
No.0012
040910
不可視
誰か呼んだ?
熱にうなされた痕のような目覚めだった。
起きてしばらくはボーっとして、
でも誰かに揺り起こされた感覚が離れないでいた。
‥‥最近、毎朝のこと。
今日、休もっかな‥‥。
ベッドにしがみついている気は全然なかった。
どこか大きな景色を見たいと思った。
メンテしなきゃ。もう随分さわってない。
‥‥心のこと。
全部、やめよっかな。
そんな簡単に思いつくつもりじゃなかった。
でも案外、その考えは鍵穴にピッタリだった。
見えないものにつながれているんだ。
‥‥母に言われたこと。
窓を開けた。
いい天気。
どこか出かけよう。
可能性さがし?ちがうちがうちがう。
‥‥もっと簡単なこと。
服を着たよ。白とジーンズ。
遠くにあるって、勝手に想像してる。
本当は自分の中にあるものなのにね。
頑張らなくていい。自然でいい。ままでいい。
‥‥むずかしいこと。
どこか大きな景色を見たいと思った。
No.0011
040909
なぜ?
「なぜ?」って、おもむろにあなたが聞いた。
僕は答えられなかった。
あなたは答えられない僕を分析しはじめた。
なぜ?‥‥なぜなんだろう。
「なぜ?」って、そしてまたあなたが聞いた。
僕は答えられなかった。
あなたは僕を追いつめるように問いただした。
なぜ?‥‥なぜなんだろう。
本当にわからなかった。
だいたい理由なんかあったのかな。
人間の行動には必ず理由があるっていうのを、
何かの本で読んだような、読まなかったような‥‥。
そんなことを考えた。
結構な時間がたった。
僕は罠にはまった獲物だった。
もうずいぶん前に立ち向かう気力をなくしていた。
でも、考えることはやめなかった。
爪は隠したけど、誇りは捨てなかった。
また時間がたった。
どうやら、あなたの興味の対象は僕でなくなっていった。
未だ、僕は答えられなかった。
なぜ?‥‥なぜなんだろう。
あなたが笑っている。
少し、窮屈じゃなくなった。
僕は明らかに圧力から解放されつつあった。
突然、確信が生まれた。狭い隙間に生まれたへんな確信。
あなたの饒舌さにくらべれば、とても幼稚な確信。
理由があった。いっぱいあった。
おいしいから。珍しいから。お腹がすいたから。生きるため。
理由があった。いっぱいあった。
ご飯を食べる理由がいくつもあるように。
僕は探していたんではなくて、選ぼうとしていた。
自分の形にこだわっていた。
あなたに認められるくらいの“理由”、
自分を美しく見せるために必要な“理由”を。
でも選びきれなかったんだ。
あなたが手強かったから。
だから答えられなかったんだ。
あなたが僕を追いつめたんではなく、
僕があなたから逃げた。
だから答えられなかったんだ。
「なぜ?」って、もうあなたは聞かなかった。
答えが出たのに。答えが出たのに。
ただ、その答えは答えられなかった理由でしかなかったけど、
それでもう許される気がしていた。
帰り道にもう一度、自分に聞いてみた。
今度は声に出してみた。
ひとり、ふらふらと歩きながら。
「なぜ?」
声が団地の壁にはじかれる。
「なぜ?」
僕はそれっきりしゃべれなかった。
やっぱり、理由は見つからない。
少し泣きそうだった。
No.0008
040906
頭の中(改行と句読点のない思考)
げんきっていったいなんだろうかまためんどうなことをかんがえはじめてしまったげんきはかんじょうのいちぶなのだろうかいやげんきはかんじょうではないようにぼくにはおもえるかんじょうをほっけーのぱっくひびのせいかつをほっけーのげーむそのものにたとえるとするぱっくのうごきにあわせてげーむがうごきあたりまえにぱっくのゆくえでしあいがけっするぱっくをかんぺきにこんとろーるすることはかのうなのだろうかそれもくんれんかおもいどおりにはしはいできないのだけれどでもかんじょうをこんとろーるすることはあるていどかのうだとおもうせいぎょふのうになるとすればそれはあたまがいかれてしまったということだほっけーにたとえることはなかったなところでげんきはだすとかでるとかないとかあるとかというひょうげんをするけれどだすってことはどっかにしまってあるのだろうかちがうなだってどうしたってみつからないことがあるものねすくなくともたんすのようにつうじょうわかりやすいばしょにはしまってないとおもわれるかんじょうのきばくざいはそうかんたんにてにはいらないことになっているたんすにたとえることもなかったかねがてぃぶになることはすごくかんたんなのにぽじてぃぶにもっていくのはすごくむずかしいかんじょうはよそおいがきくからふりができるけどつまりげんきがあるふりはみぬかれてしまうから
040905